保存行為と買戻権抹消

住宅ローンの完済に基づく抵当権抹消登記のご依頼をよく頂いております。相談の際に登記簿を確認すると自宅の土地・建物を共有されていることがあります。夫婦や親子で共同所有されているケースです。

この場合、共有者全員から委任状に署名・捺印を頂かなければならないか?というと、必ずしもそういう訳ではありません。抵当権を抹消することは、共有者全員の利益になり民法252条5項の保存行為に該当するため、共有者のうち1名からご依頼を受け手続きを進めることがあります。

さて、先日も住宅ローン完済に基づく抵当権抹消登記のご依頼を頂きました。登記簿を確認すると自宅の土地・建物が共有でした。そして、抵当権に加えて古い買戻特約の登記が残っていました。一定の条件を満たす買戻特約の登記は買戻権者と共同申請することなく抹消できます。これは不動産登記法69条の2の規定によるためです。

今回、買戻特約抹消の登記の登記原因を「不動産登記法第69条の2の規定による抹消」として登記権利者が単独申請する際、共有者全員の委任状が必要か?という点がポイントとなりました。上記、保存行為の理屈からいえば、買戻特約抹消登記も抵当権抹消登記と同じく共有者全員の利益になるため、保存行為にあたる。ゆえに共有者1名からの申請も可能、という理屈の下、登記申請を行い、抵当権抹消登記とともに買戻特約抹消登記も無事に完了しました。

保存行為という例外と不動産登記法69条の2の適用という例外の2つ例外を適用した登記申請となり、貴重な経験をさせて頂きました。

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