待ち時間に注意

相続登記の準備を始める際に、まず法定相続人が誰かを特定しなければなりません。通常は戸籍を収集して法定相続人の調査を行います。亡くなった方の出生から死亡までのつながりが分かる除籍謄本が必要になります。亡くなった方の最後の本籍地を特定して、その役所に戸籍を請求することになります。ただし、亡くなった方が婚姻等で本籍地が変わっている場合、また別の役所に戸籍を請求しなければなりません。その作業を繰り返して被相続人の出生から死亡までの戸籍を取得していくことになります。

この作業が結構大変です。遠方の役所に請求する場合、返信用封筒や定額小為替を準備しなければなりません。人生において何度も経験する作業ではないので「こんなに苦労するとは思わなかった」と相談に来られるかたもいらっしゃいます。

この戸籍収集の負担を削減するため今年の3月から本籍地以外の役所の窓口でも戸籍証明書・除籍証明書を請求できることになりました。いわゆる「広域交付制度」というものです。本籍地が遠方にある場合でも「被相続人の出生から死亡までの戸籍をお願いします。」と伝えれば、遠方の役所に請求する必要がなくったという訳です。

ただし、兄弟姉妹のものは取得できない、代理人は請求できないなど、制限があります。また戸籍の広域交付制度が始まって窓口での待ち時間が長くなりました。神戸市のHPにもアナウンスされるほどなので、よっぽどのことなのでしょう。広域交付制度を利用して戸籍の収集を検討されている方は注意して下さい。

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