成年後見制度を利用する際の注意点

 成年後見制度の利用に際して、注意しておかなければならない点があります。

(1)申立てをすると家庭裁判所の許可がないと取り下げられない。

(2)申立ての際に挙げられた候補者が必ず後見人に選任されるとは限られない。

(3)申立てのきっかけとなった問題が解決しても後見人の仕事は終わらない。

(1)に関して、例えば自分を候補者として申立手続を行ったが、審理が進むにつれて自分が後見人に選任される見込みがなくなりました。この場合でも、申立てを取り下げることはできません。本人にとって後見人が必要かどうかを家庭裁判所が審理するためです。

(2)に関して、誰を後見人に選任するかは家庭裁判所が判断します。必ず申立ての際に挙げた候補者が選任されるとは限りません。また、誰を後見人に選任するかという家庭裁判所の判断に関して、不服を申し立てることができません。

(3)に関して、申立ての動機となった遺産分割やご自宅の売却手続きが完了しても後見人の職務は終了しません(この記事執筆時現在)。後見人は引き続き財産管理・身上保護を担い、家庭裁判所に定期報告を行う必要があります。本人の判断能力が回復したり、本人が亡くなったりするまで後見人の職務は続くことになります。

 制度の利用を薦められた方も、これらの点を注意して成年後見制度の利用を検討してみて下さい。

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