自分が亡くなったときのために

「自分が亡くなった場合に備えて、今後のためにやっておいた方が良い相続対策はありますか?」

個人のお仕事として事務所での相談や定期相談会での相談の際によく受ける質問です。特に今年は相続登記の義務化に伴い、相続に関する関心が高まっているように感じます。

私が相続の相談を受ける際、「相続手続きは、(1)誰が相続人か?(2)何が相続財産か?(3)誰が何を相続するか?を確定させる作業です。」と説明するようにしています。

その中で(2)に関しては、相談者自身は自分にどんな財産があるか?把握されていることが多いですが、残された相続人が把握できておらず、いざ相続手続きの際に苦労されていることが多い印象です。

冒頭の質問に対して、私はよく「相続人のために自分にどのような財産があるか?を書き記しておく、というのは有用ですよ」とお答えすることが多いです。今すぐ相続人に見せなくてもよいのでとりあえずピックアップしておく。5年後、10年後に再度見直す。そのようにしてその時々に疑問が生じれば私たち専門家に相談すれば良いと思います。

相続財産だけでなく、今の時代各種パスワードをどこかに残しておくと、ご自身が亡くなった後、相続人の方はだいぶ助かるかもしれません。実際に相談者の方とお話しをしていて「パスワードが書かれたメモが残されていたため、手続きがスムーズに進んだ。」という事案もありました。ただし、メリット・デメリットがあるので慎重に。

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