存在するけど、しないけど。
相続の対象となる財産を調査していると、未登記の建物が見つかることがあります。納税通知書をよく見てみると家屋番号が記載されていない建物が記載されていたりします。実際に存在しているけど、登記がされていない建物がこれにあたります。実際に存在している以上、課税はされているわけです。
未登記建物でも実際に存在するのであれば、相続財産に含まれます。ただし、登記がされていない以上、このままでは相続登記をすることはできません。この場合でも遺産分割協議書に未登記建物を記載しておくことをお勧めします。書き方としては納税通知書に記載されている情報を記載しておけば足りるでしょう。
また、相続財産調査の段階で現実には存在しませんが、登記簿だけ残っている建物が見つかることがあります。建物を取り壊しても、基本的に勝手に登記簿がなくなるわけではありません。この機会に建物が存在しないという現状と合致させるために滅失登記を申請しておくことをお勧めします。なお、滅失登記は表示に関する登記にあたるため、知り合いの土地家屋調査士を紹介することになります。
相続という人生の節目において未登記の建物を登記しておくことや、存在しない建物の滅失登記をして不動産の整理をしておくことは、ご自身の後の世代に有益なことで喜ばれることでしょう。