当たり前を見直す視点

 相続登記のご相談を受けた際に注意しなければならないことがあります。被相続人が亡くなった日によっては、現行民法を適用して法定相続人・法定相続分の確定ができないからです。例えば、現行民法では兄弟姉妹の代襲相続人は兄弟姉妹の子(甥姪)に限定されています。しかし、被相続人が昭和55年12月31日以前に亡くなっている場合、兄弟姉妹の子に限定されることなく、代襲相続権が認められていました。その他、被相続人の亡くなった日によって、法定相続分が現在の割合と異なる場合や家督相続のルールに従って相続人を確定させる場合などもあります。

 特に地方の不動産で相続登記が何代にもわたって行われてきていないような場合、「現行民法を適用して法定相続人・法定相続分を確定させて良いか?」という当たり前を見直す視点が重要になります。

目次